家具が部屋まで入らない|搬入経路の測り方と、買う前の確認手順
「部屋には余裕で入るサイズなのに、玄関で止まった」。家具の失敗でいちばん取り返しがつかないのがこれです。置き場所の計算は誰でもしますが、そこまでの道のりを測る人はほとんどいません。 この記事では、買う前にどこを測ればよいかを順番にまとめます。
測るのは5か所
| 場所 | 測るもの | よくある寸法 |
|---|---|---|
| ① 建物の入口 | エントランス扉の有効幅 | 80〜90cm |
| ② エレベーター | 扉の幅・内寸の奥行・天井高 | 扉 80cm 前後 |
| ③ 階段 | 踏面の幅・曲がり角・手すりまでの有効幅 | 75〜90cm |
| ④ 玄関ドア | ドアを開けた状態の有効幅 | 70〜80cm |
| ⑤ 部屋の入口 | 室内ドアの有効幅・廊下の曲がり角 | 60〜75cm |
いちばん狭い場所が、その家に入る家具の上限です。 5か所のうち1つでも足りなければ、他が広くても意味がありません。
「有効幅」を測る
ドアの幅を測るとき、枠の外側を測ってはいけません。実際に通れるのは、ドアを開いた状態で、ドア本体の厚みと戸当たりを引いた残りです。カタログの「幅80cmのドア」でも、有効幅は 72〜75cm しかないことがよくあります。
あわせて次も見てください。
- ドアが90度以上開くか。 開き止めや壁のせいで80度までしか開かないと、有効幅はさらに数cm減ります
- ドアノブの出っ張り。 5〜7cm あります。通り道の一部を確実に削ります
- ドアが外せるか。 蝶番からドアごと外せる場合、有効幅は一気に 5〜10cm 増えます。ここが最後の手段になります
曲がり角が本当の関門
まっすぐな廊下は、家具の幅か厚みのどちらかが通れば抜けられます。問題は直角に曲がる場所です。ここでは家具の長さが効いてきます。
目安として、廊下の幅が 80cm の直角コーナーを、厚み40cmの家具が曲がれる長さは、およそ 180〜200cm までです。長さ220cmの3人掛けソファが「玄関は通ったのに廊下で詰んだ」というのは、この計算をしていないからです。
ただし、天井が高ければ立てて曲がるという逃げ道があります。曲がり角では天井高も測っておいてください。長さ200cmのソファを立てるには、天井高 210cm 以上が要ります。
家具の側で見るべき数字
| 家具 | いちばん厳しくなる寸法 |
|---|---|
| ソファ | 長さ。3人掛けは 180〜220cm。曲がり角で詰む |
| 冷蔵庫 | 幅+10cm。作業スペースぶんの余裕が要る |
| 洗濯機(ドラム) | 奥行が大きい。防水パンのサイズも別途確認 |
| マットレス | 圧縮梱包なら問題なし。そうでなければ曲げられない |
| 食器棚・本棚 | 高さ。立てたまま運べないと、寝かせて曲がるスペースが要る |
梱包サイズは本体より一回り大きいことも忘れないでください。段ボールと緩衝材で、各辺 5〜10cm 増えます。玄関ギリギリの計算をしていると、ここで止まります。
買う前の確認手順
- 搬入経路の最小幅を出す。 5か所を測り、いちばん小さい数字を控えます
- 候補の家具の梱包サイズを調べる。 本体寸法ではなく梱包寸法です。商品ページに無ければ販売店に聞きます
- 梱包の短い2辺が、最小幅を通るかを確認します。通らなければその時点で不可です
- 曲がり角で長さが通るかを確認します。天井高も見ます
- 部屋の中で置けるかを確かめます。ここでようやくレイアウトの話になります
順番が大事です。多くの人は5番から始めて、1〜4を飛ばします。
どうしても入らないときの手段
- ドアを外す:数cm の差ならこれで解決します。多くの室内ドアは蝶番から外せます
- 分割できる家具を選ぶ:カウチソファやシステムベッドは分割して運べるものがあります
- 吊り上げ搬入:窓やベランダから入れます。別料金(2〜5万円程度)で、事前申請が必要な建物もあります
- 組み立て式にする:板の状態で運び、部屋で組みます。搬入経路の制約からほぼ解放されます
部屋の中も、置いてから測る
搬入経路を抜けても、部屋の中で「置けるが使えない」ことがあります。本サイトのシミュレーターは、部屋に置いた家具について、通路が 60cm 残っているか、収納の扉の前が 45cm 空いているか、ドアの開閉範囲を塞いでいないかを自動で判定します。買う前に、入口から置き場所までを一度通しで確かめておくのがいちばん確実です。